2021年06月17日
編成の話。
山岳猟兵の連隊以下の編制について、歩兵科との比較を交えながら紹介してみようと思う。
連隊を構成するのは3つの山岳猟兵大隊である。一般の歩兵師団の場合、1個大隊は3個小銃中隊と1個機関銃中隊の4個中隊から構成されるが、山岳猟兵大隊の場合はこれに重火器中隊が加わる。
(歩兵)
連隊本部
― 本部中隊
― 第1歩兵大隊(第1~4中隊、大隊段列)
― 第2歩兵大隊(第5~8中隊、大隊段列)
― 第3歩兵大隊(第9~12中隊、大隊段列)
― 歩兵砲中隊(第13中隊)
― 対戦車猟兵中隊(第14中隊)
― 連隊段列
(山岳猟兵)
連隊本部
― 本部中隊
― 第1山岳猟兵大隊(第1~5中隊、大隊段列)
― 第2山岳猟兵大隊(第6~10中隊、大隊段列)
― 第3山岳猟兵大隊(第11~15中隊、大隊段列)
― 対戦車猟兵中隊(第16中隊)
― 連隊段列
歩兵大隊の第4第8第12中隊は機関銃中隊である。一方、各山岳猟兵大隊では第4第9第14中隊が機関銃中隊であり、第5第10第15中隊が重火器中隊である。山岳猟兵中隊は3個小銃小隊、1個機関銃分隊、1個軽迫撃砲班、中隊段列で構成される。また山岳機関銃中隊は3個機関銃小隊と1個中迫撃砲小隊、中隊段列から構成されている。
山岳猟兵連隊内の各重火器中隊は歩兵砲に類する兵器を扱ってはいるが、その編成は歩兵科の歩兵砲中隊とは根本的に異なる。歩兵科の歩兵砲中隊は歩兵大隊の外に存在し、歩兵連隊の中の13番目の中隊となっている。この中隊は3つの歩兵砲小隊と通信小隊を内包しており、山岳猟兵大隊の重火器中隊は歩兵砲中隊の持つ歩兵砲小隊を連隊内の3つの大隊に分配してそれぞれを膨らませた形となっている。重火器中隊は1つの軽山岳歩兵砲小隊を核として、通信小隊、工兵小隊、対戦車小隊、中隊段列が付属し、大戦中期には重迫撃砲小隊が加わる。
このほか山岳猟兵連隊の本部中隊の編制についてだが、この中隊には中隊本部班、工兵小隊、通信小隊、中隊段列が含まれる。資料によっては、あと1個小隊が本部中隊に存在しているとあるが、今のところはその小隊の役割が判然としない。
手元に山岳師団が編成されたばかりの頃の中隊編成表があるので、比較的初期の歩兵中隊の編制と比べつつこっちも紹介してみる。
中隊本部には計15名、乗馬本分者が2名、兵員が9名、駄獣担当者が4名と駄獣4頭で編成されている。時期、部隊によって歩兵中隊にも山岳猟兵中隊にもその編制において構成人数の増減があるものの、その内訳は一般的な歩兵中隊本部班に準ずるものと考えられ、少なくとも中隊長、本部班長、伝令兵6名、従卒1名、衛生下士官1名、衛生兵1名が存在するものと思われる。中隊は3個の小隊を基幹戦力とし、各小隊は1個小隊本部班と1個軽迫撃砲班、3個小銃分隊を持っており、小隊内の分隊の数は歩兵科と比べ1個分少ない。小隊本部班は7名、軽迫撃砲班は5名と駄獣2頭である。歩兵の一般的な小隊本部の内訳は小隊長、小隊本部班長、伝令兵3名、衛生兵1名、御者1~2名、馬車1~2両、馬車あたり馬2頭となっており、中隊本部と同じくその規模はあまり変わらない。その内訳もほぼ同じと考えていいだろう。軽迫撃砲班については、歩兵小隊内の軽迫撃砲班は3名で編成されているが、山岳猟兵小隊では5名と駄獣2頭である。軽迫撃砲本体と備品、砲弾の輸送のために駄獣が追加されたという構造なのだろう。
小隊編成の基幹となる山岳猟兵分隊の編制に触れておく。分隊長、副分隊長を含んだ6名の小銃班、4名の機関銃班、駄獣担当者2名と駄獣2頭がその内訳である。次に機関銃分隊の編制についてだが、歩兵科の小銃中隊で直接戦闘に関わるのは小銃分隊、軽迫撃砲班、対戦車銃分隊の三種で、その編成に重機関銃分隊は存在していない。この編成方法は中隊の保有する歩兵戦力と火力を向上させるための措置だと思われ、機関銃分隊は19名もの兵員と駄獣6頭を擁している。歩兵科の中隊編成表に存在する対戦車銃分隊6名の代替と表現するにはあまりに規模が大きく、山岳猟兵科と歩兵科の小銃中隊に所属する戦闘要員の数を比較すると、若干ではあるが前者の人数が多くなっている。
最後に段列についてだが、未だによくわからんので触れない。まあ山岳猟兵の段列ごっこやりたいとか言う変態なんておらんやろ。
連隊を構成するのは3つの山岳猟兵大隊である。一般の歩兵師団の場合、1個大隊は3個小銃中隊と1個機関銃中隊の4個中隊から構成されるが、山岳猟兵大隊の場合はこれに重火器中隊が加わる。
(歩兵)
連隊本部
― 本部中隊
― 第1歩兵大隊(第1~4中隊、大隊段列)
― 第2歩兵大隊(第5~8中隊、大隊段列)
― 第3歩兵大隊(第9~12中隊、大隊段列)
― 歩兵砲中隊(第13中隊)
― 対戦車猟兵中隊(第14中隊)
― 連隊段列
(山岳猟兵)
連隊本部
― 本部中隊
― 第1山岳猟兵大隊(第1~5中隊、大隊段列)
― 第2山岳猟兵大隊(第6~10中隊、大隊段列)
― 第3山岳猟兵大隊(第11~15中隊、大隊段列)
― 対戦車猟兵中隊(第16中隊)
― 連隊段列
歩兵大隊の第4第8第12中隊は機関銃中隊である。一方、各山岳猟兵大隊では第4第9第14中隊が機関銃中隊であり、第5第10第15中隊が重火器中隊である。山岳猟兵中隊は3個小銃小隊、1個機関銃分隊、1個軽迫撃砲班、中隊段列で構成される。また山岳機関銃中隊は3個機関銃小隊と1個中迫撃砲小隊、中隊段列から構成されている。
山岳猟兵連隊内の各重火器中隊は歩兵砲に類する兵器を扱ってはいるが、その編成は歩兵科の歩兵砲中隊とは根本的に異なる。歩兵科の歩兵砲中隊は歩兵大隊の外に存在し、歩兵連隊の中の13番目の中隊となっている。この中隊は3つの歩兵砲小隊と通信小隊を内包しており、山岳猟兵大隊の重火器中隊は歩兵砲中隊の持つ歩兵砲小隊を連隊内の3つの大隊に分配してそれぞれを膨らませた形となっている。重火器中隊は1つの軽山岳歩兵砲小隊を核として、通信小隊、工兵小隊、対戦車小隊、中隊段列が付属し、大戦中期には重迫撃砲小隊が加わる。
このほか山岳猟兵連隊の本部中隊の編制についてだが、この中隊には中隊本部班、工兵小隊、通信小隊、中隊段列が含まれる。資料によっては、あと1個小隊が本部中隊に存在しているとあるが、今のところはその小隊の役割が判然としない。
手元に山岳師団が編成されたばかりの頃の中隊編成表があるので、比較的初期の歩兵中隊の編制と比べつつこっちも紹介してみる。
中隊本部には計15名、乗馬本分者が2名、兵員が9名、駄獣担当者が4名と駄獣4頭で編成されている。時期、部隊によって歩兵中隊にも山岳猟兵中隊にもその編制において構成人数の増減があるものの、その内訳は一般的な歩兵中隊本部班に準ずるものと考えられ、少なくとも中隊長、本部班長、伝令兵6名、従卒1名、衛生下士官1名、衛生兵1名が存在するものと思われる。中隊は3個の小隊を基幹戦力とし、各小隊は1個小隊本部班と1個軽迫撃砲班、3個小銃分隊を持っており、小隊内の分隊の数は歩兵科と比べ1個分少ない。小隊本部班は7名、軽迫撃砲班は5名と駄獣2頭である。歩兵の一般的な小隊本部の内訳は小隊長、小隊本部班長、伝令兵3名、衛生兵1名、御者1~2名、馬車1~2両、馬車あたり馬2頭となっており、中隊本部と同じくその規模はあまり変わらない。その内訳もほぼ同じと考えていいだろう。軽迫撃砲班については、歩兵小隊内の軽迫撃砲班は3名で編成されているが、山岳猟兵小隊では5名と駄獣2頭である。軽迫撃砲本体と備品、砲弾の輸送のために駄獣が追加されたという構造なのだろう。
小隊編成の基幹となる山岳猟兵分隊の編制に触れておく。分隊長、副分隊長を含んだ6名の小銃班、4名の機関銃班、駄獣担当者2名と駄獣2頭がその内訳である。次に機関銃分隊の編制についてだが、歩兵科の小銃中隊で直接戦闘に関わるのは小銃分隊、軽迫撃砲班、対戦車銃分隊の三種で、その編成に重機関銃分隊は存在していない。この編成方法は中隊の保有する歩兵戦力と火力を向上させるための措置だと思われ、機関銃分隊は19名もの兵員と駄獣6頭を擁している。歩兵科の中隊編成表に存在する対戦車銃分隊6名の代替と表現するにはあまりに規模が大きく、山岳猟兵科と歩兵科の小銃中隊に所属する戦闘要員の数を比較すると、若干ではあるが前者の人数が多くなっている。
最後に段列についてだが、未だによくわからんので触れない。まあ山岳猟兵の段列ごっこやりたいとか言う変態なんておらんやろ。
Posted by Kaspar Lueder at 00:24│Comments(0)
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